ヘルシーブームの陰で横行

ヘルシーブームの陰で横行

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ヘルシーブームの陰で横行

日本の食文化は、戦後から高度成長期にかけては、洋風化が進行した時代でした。

そして1980年代に入るとグルメブームが訪れ、誰もが美味しいレストランや高級食材を求めるようになりました。

一億総グルメ時代と言われたものです。そして90年代に入ってバブルが崩壊すると、そもそも高級レストランでディナーを取るなどという行為が恥ずかしいこととされ、代わって登場したのが、ヘルシーブームです。

ヘルシーとは「健康的」という意味ですが、90年代においては和食回帰という現象となって現れました。和食が低カロリーであることが女性のダイエット志向を動かし、生活習慣病の予防にも効果があるとあって、洋風化一辺倒だったファミリーレストランも、和風ステーキランチセットなどというメニューを前面に売り出し始めました。

さらに90年代末から2000年代に入ると、本物志向というトレンドが登場します。

ファストフードチェーンの隆盛に対する反動として、安心できる食材、本物の食材で出来た食事をしたいという欲求が高まってきました。

しかし、「ヘルシー」や「本物」を論じる際に、当然考えなければならない、食品添加物や、必須栄養素などの本質的な問題は避けられて、日本一忙しい高名な某テレビタレントが紹介する健康食品が大売れするなどという安易なブームに陥っています。かつてのグルメブームは、高級品を求める志向はなくなったものの、グルメレポーターと称するテレビタレントが日本中で旨いものを食べ歩くというテレビ番組が流行っています。これらのブームが頂点に達して崩壊したのが2007年という年でしょう。

「納豆でダイエットできる」という特集を組んだテレビ番組がインチキであることがバレて、テレビ健康番組の大嘘が明らかになり、続いて食品の偽装表示が次々明らかになったのです。健康志向、美食志向がインチキや偽装を生んだという皮肉な結果となったわけです。

もちろん、食品関連会社の偽装表示を擁護できるわけではありませんが、本質を見失ったまま、漠然と本物を求めている消費者の側にも反省すべき点はあるということです。

これから本当に必要となるのは、まさしく平成16年に立法化された「食育」の普及でしょう。食育基本法(平成十七年法律第六十三号)は、国の方針を指し示す法律ですので、どのように運用するかは、行政の手腕にかかっていますし、産学官一体となった推進体制が必要でしょう。

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