トレーサビリティ確保の困難さ

トレーサビリティ確保の困難さ

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トレーサビリティ確保の困難さ


食品のトレーサビリティ確保については、農林水産省が2003年頃から積極推進をしています。

具体的には、食品の箱や容器或いは食品そのものにICチップを装着したり、JANコード(バーコード)を利用したりして、生産地から確実に消費者に本物が届くようにする試みです。

BSE問題を受けて当初は牛肉を中心に行われ始めましたが、現在は牛肉以外にも拡大しつつあります。

日本のIT施策の一環であるユビキタス(あらゆる場所にコンピュータテクノロジーが存在する状態)に関連して、ユビキタス食と呼ばれています。現在のところ試験的な段階ですが、今後の普及が期待されています。

しかし、加工食品(食品衛生法上は、パッケージングされた肉や魚も加工食品ですが、それ以外の一般的な加工食品)については、このトレーサビリティ確保が非常に困難なのです。

海外の加工工場で一次加工、調理されてしまえば、もはや追跡は不可能で、最終加工が日本国内で行われていれば、堂々と国産表示された加工食品です。

また、特に食肉においては法令上加工食品であること以外にも、実際に普通の精肉が加工食品であることが多いのです。

例を挙げると、くず肉、半端肉を牛脂と合わせて結着させた「整形ステーキ肉」、脂肪分のない部位の肉に注射針で牛脂を注入した、「人口霜降りすき焼き肉」などがあります。

これらの食肉は、安い肉を用いて美味しい商品に仕立て上げたのですから、本来、「整形ステーキ肉」「人工霜降り肉」などと正直に表示をして、安価で販売すれば、消費者の利益に繋がるはずなのです。

しかし、これも消費者の霜降り肉信仰や高級ステーキ信仰に便乗する形で、ほどほど安く、実は利幅が大きい値段設定をして売られているのが現状です。

良心的な店では、これらの加工肉を「フレッシュミート」「ヘルシーミート」などと、表示している場合もありますが、なにしろ味にせよ見た目にせよ素人には区別がつかないのですから、ブランド牛の霜降り肉として売られるリスクも当然あるわけです。

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